孤杉公啓先生の原著論文が2024年9月21日にJournal of Atherosclerosis and Thrombosis誌に掲載されました。2008～2014年までの健診受診者 768,495名を対象にHDL-C値とeGFR（推定糸球体濾過量）の40%低下との関連をCox回帰分析、eGFRの変化を混合効果モデルを用いて解析を行いました。観察期間中6,249名がeGFR 40%低下をきたし、HDL-C 40-59 mg/dLを基準に＜40、60-79、≥80 mg/dLの各群における腎機能低下の調整ハザード比は、それぞれ1.26、0.91、0.86でした。またHDL-C 60 mg/dL未満の群では腎機能悪化リスクが増加し、ベースラインeGFRと蛋白尿がこの関連性に影響を与えていました。低HDL-C値は腎機能低下と関連していましたが、高HDL-C値は腎機能悪化と関連がないことを示しました。